揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「っていうか、沙希も知ってんのかよ?弘登先輩の事」


私達が面識がある事に驚いたようで、諒斗がそう尋ねてきて。

何やら思案中の沙希に変わって、私が説明をした。


「土曜日に、私が図書館で弘登先輩に本を取ってもらったのがきっかけなの。昨日沙希のバイト先でもバッタリ会っちゃって、3人でいろいろ話したんだ……」


話を聞いていた諒斗の顔が、少し曇った気がした。

沙希と2人、何やら黙って考え込んでいる。


沙希はまだしも、何で諒斗まで黙りこんでんのよ……?


「由佳さぁ……」


しばらく俯かせていた顔を上げ、先に口を開いたのは諒斗だった。


「彼氏がいる事、ちゃんと弘登先輩に言ったか?」


「えっ?い、言ったけど……」


正確には、沙希が言ってくれたんだけど。


「お前は変に情に流されたりするから。あのガキとこれからもつき合ってくんだったら、ちゃんと弘登先輩を突き放せよ」


諒斗も、やっぱり沙希と同じ事を言う。


別に、先輩はそんなつもりじゃないのに。

私とつき合うとかじゃなくて、単なる先輩と後輩として接してくれているのに。
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