揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「……よく分かってんじゃん、諒斗っ」


感心したように、沙希が諒斗の肩を叩く。


「弘登先輩、執着心すげぇからさ。去年もバスケ部のマネージャーにしつこく迫ってて。モノにしたとかしないとかって話らしいし」


「じゃあ、今度は由佳が狙われてんじゃないの?」


「だから、そんなんじゃないってば」


2人にそう言い返してはみるものの、何だかちょっと自信がなくなってきた。


だけど、ちゃんと『好きだ』とか『つき合って』とかって言われたわけじゃないから。

狙われてるって思うのも、何だか自惚れのような気がするし……。


「今日は用事があるって事にして、帰ろ?会わない方がいいって」


私の机に体を乗り出し、沙希が真剣な表情で訴えてくる。


「俺も沙希に賛成だな。うまく言っといてやるから、今日は帰れよ」


諒斗も、珍しく真顔でそう言ってくる。


2人にここまで言われたら、さすがに言い返す事は出来なくて。

とりあえず、帰りは沙希と真っ直ぐ帰る事に決めた。
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