揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「うん……」


この間までなら、自信を持って『大事にしてもらってる』って答えてたのかもしれない。

でも今は、正直…自信がない。


「克也君の友達だって?」


諒斗は、沙希にいろいろ話をしてくれてたらしい。


「うん。野球部の仲間なの」


「そっか。で、その彼は高崎君を振っちゃうぐらいのイイ男なの?」


「まぁ、ね」


何だか照れくさくて、沙希から目を逸らしてしまった。


私は、真吾よりも大翔君を選んだ。

でも別に、それは真吾が嫌だったわけじゃなくて。


ただ…大翔君の方が好きだっただけなんだ。


「しっかし、よりにもよって小学生とはね。最初聞いた時、アホ諒斗がでまかせ言ってるのかと思ったわよ」


まぁ、普通は信じられないよね。


私は、苦笑いを返す事しかできなかった。


「とにかくさ。私はこれでも、由佳の親友のつもりだよ?何かあったら、1人で抱えてないで私にちゃんと言いなよ?」


私の両手をがっちり握り、沙希は言い聞かせるように私に告げた。


沙希の思いの分だけ、握る手に力が入り。

私の心に、沙希の優しさが染み込んでくる。
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