揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「久しぶり、元気だった?」


かわいらしい笑顔で、気さくにそう声をかけてくれるけど。

私…そんなに仲良かったっけ?


「片山さん、清陵学園でしょ?何でこんなトコにいるの?」


「あ、安田さんもいたんだ。相変わらず仲良しなのね」


沙希の問いには答えず、片山さんは笑顔のままそう続ける。


一見、笑顔で再会を喜んでいるように見えるけれど。

何となく彼女に違和感を感じるのは、私の気のせいだろうか?


「清陵なら、うちらの地元挟んでココと反対側じゃん。もしかして、諒斗に会いに来たの?」


沙希の言葉に、片山さんの表情が一瞬曇った気がした。

だけど、すぐに笑顔を取り戻して言葉を続ける。


「今日は、吉野さんに会いに来たの。校門前からつけて来ちゃってゴメンね」


さっきから、このアイドルのような笑顔と言葉にすごく違和感を感じる。


中学の頃と変わらない、かわいい容姿。

清陵の制服はうちよりかわいいから、ますます片山さんを際立たせている。


なのに、なんで≪怖い≫って思ってしまうんだろう……?
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