揺れる想い～年下彼氏は小学生～㊦
「そんなの、諒斗に聞きなよ。由佳だって迷惑してんだから」


「何で私が、そんな縋る様な事しなくちゃいけないのよ？そりゃ諒斗はイイ男だから勿体なかったけど、別に今の学校にもイイ男はいくらでもいるし」


片山さんの話を聞きながら、私は自分の耳を疑ってしまっていた。


こんな事言う人だったっけ？片山さんって。


中学校の時の彼女は、かわいくて清楚で優しくて。

男子達の憧れの的だった。


先生からもかわいがられていて、羨ましいなって思った事もあったんだけど。


「別に、諒斗を返してとか言ってるんじゃないの。ただ、あなたに負けたっていうのが納得いかないだけ」


そう言ったかと思ったら、いきなり後ろの髪をぐいっと下に引っ張られた。


「いたっ！」


突然、結構な力で引っ張られてしまって。

慌てて手で髪を押さえながら、片山さんを見上げた。


「で？諒斗とは寝たの？」


そう尋ねてくる彼女の顔が、何だかすごく殺気立っていて。

私の体は、すっかり竦んでしまっていた。


「ちょっと！いい加減にしなよっ！！」


沙希が、慌てて彼女の手を振りほどいてくれたけど。

髪の毛がまだ引っ張られているような気がして、頭に痛みが残る。
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