揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「あんたのが、私よりテクがあるとか?それとも、脱いだらよっぽどいい体してるわけ?」


そう言って、品定めするかのようにジロジロと私の体を見てくる。


「何も…ないから。私と諒斗の間には、何もないからっ」


こんな状況で、前に諒斗に襲われただなんて言えるわけがなくて。

でも、誤解をちゃんと解いておきたかった。


「何もないなら、何で私じゃなくて吉野さんなわけ?意味分かんないっ」


「意味なら分かるわよ。由佳のが性格がいいからに決まってんでしょ?」


凛とした沙希の声。

自分の事じゃないのに、一生懸命私を庇ってくれる。


頼もしくて、優しくて。

ホントに、沙希が親友で良かったと心から思った。


「私が性格悪いっていうわけ?」


ムッとした顔を見せ、片山さんはすぐに言い返してきた。

せっかくのかわいい顔が、これじゃあ台無しだよ。


「わざわざ由佳に言いに来る人が、とても性格いいとは思えないけど?」


「……」


「そっちの学校のイイ男と、さっさとつき合ったら?いつまでも振られた男を引きずってるのって、見苦しいんだけど?」
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