揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
そんな事を思っていたら、なんだか無性に大翔君に会いたくなってきた。


だけど、しばらく会えないんだって事を思い出して。

一気にブルーな気分が蘇ってくる。


「そろそろ帰ろっか?小学生の彼が待ってるといけないし」


冷やかすように言った沙希の言葉が、今の自分の状況を再確認させるようで。

胸がぎゅうっと締め付けられる。


「由佳?どした?」


返事の無い私の顔を覗きこみ、心配そうに沙希が声をかけてくる。


「えっ?あ、ううん。何でもない」


これ以上、沙希に心配掛けるわけにはいかないから。

慌てて、私は作り笑顔で手を振ってみせた。


「とにかく、何かあったらちゃんと言いなよ?」


「うん、ありがと」


まだ、何か起きたわけじゃない。

ただ、金曜日まで大翔君とは連絡が取れないだけ。


それだけ…なんだから。
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