揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「可愛いんじゃないか?」


イマドキ珍しい、おとなしくて可愛らしい篠原さん。

小柄で、守ってあげたくなるような。


「す、好き…とか?」


雅志からの窺うような視線を浴び、なんだか笑いが込み上げてくる。

俺が篠原さんの事を好きかもって思ってんだよな、きっと。


「安心していいよ。俺、彼女いるし」


「えっ?だって、水沢とは別れたんだろ?」


「別れたよ。今は、別の人とつき合ってる」


「誰っ?何組の奴?」


『何組』って訊くあたり、雅志の中ではつき合うなら同級生って頭があるらしい。

まぁ、それが普通なんだろうけど。


「うちの学校じゃないよ。とりあえず、俺は別に篠原さんを狙ってないから」


それで安心したのか、雅志の顔が安堵で和らいだ。

いつも賑やかでクラスの中心的な存在の雅志も、こういう事には慣れてないのかもしれない。
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