揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「俺さぁ、この旅行の間に…告ろうと思うんだ」


「そっか、頑張れよ」


「それで、大翔に手伝って欲しいんだよ」


「手伝う?何を?」


そう尋ねる俺に、雅志は突然両手を顔の前で合わせてきた。

真っ直ぐに俺を見る目が、何かを訴えているようで。


俺は、少し身構えてしまっていた。


「俺の気持ち、代わりに伝えて欲しいんだっ」


必死に頭を下げる雅志の顔は、珍しく真剣そのもので。

いつもおちゃらけているアイツらしからぬ表情だった。


だから、協力してやってもいいかなって思えたんだ。


「分かったよ」


頭を下げ続けている雅志の左肩をポンッと叩くと、すぐさまアイツは顔を上げてきた。

その目の輝きに、一瞬圧倒されそうになる。


「ホントにいいのかっ?」


「あぁ、いいよ。だけど、俺は伝えるだけだから。その後どうするかは自分で考えろよ?」


「分かったよっ。サンキューな、大翔っ」


雅志は、感情が全部顔に出るから。

すごく喜んでるのが、見てるだけで伝わってくる。
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