揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
由佳も、見ててすぐに分かる。


喜んでるのも。

怒ってるのも。

悲しんでるのも。

不安がってるのも。


5つも上の高校生なのに、可愛くて仕方ない。

自分の方が下なのに、幼い子を見ているような気持ちになってきて愛おしい。


この手で守ってやりたい、って思ってしまうんだ。


由佳の事を思い出したら、無性に連絡したくなってきて。

ズボンのポケットから、こっそり携帯を取り出した。


メール画面を開きながら、先生の居場所を目で確認する。

一番前でガイドさんと何やら話をしているようで、後ろから2番目のここに来る気配はない。


注意を先生に向けながら、俺はマナーモードでメールを打ち始めた。


日曜の約束を破ってしまって、申し訳なかった事。

連絡ができなくて、申し訳なかった事。

今は修学旅行のバスの中だという事。


無性に、由佳に会いたくてたまらないんだっていう事。


思いの丈をこのメールに打ち込んで、俺は送信ボタンを押した。

返事が来るのが、待ち遠しくて仕方ない。


早く会いたいよ、由佳……。
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