揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「違うよ」


笑いそうになるのをぐっと堪え、とりあえず雅志にそう告げた。


「でも……」


「ホントだよっ。キスなんてしてないからっ」


雅志の言葉を遮ったのは、篠原さんだった。

顔を赤くしながら、懸命に雅志に訴えている。


「後で話があるから、って言っただけだよ」


その言葉で、アイツは全て合点がいったようで。

しまった、という顔で俺の方を見てくる。


「ホントなのっ?千花」


「ホントだってば」


篠原さんの隣にいた近藤さんが、疑わしげに尋ねていて。

それを、篠原さんは両手を振って肯定している。


「話って、何なの?」


近藤さんの視線は、今度は俺の方に向けられた。


5年から一緒のクラスの彼女は、しっかりしていて姉御肌タイプ。

いつも一緒にいる篠原さんの、保護者的な存在だ。
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