冬うらら 1.5
○
『つなげ!』
聞き違いかと思った。
「は?」
慌てて、リエは受話器を耳にきちんと戻した。
ちょっと離していたために、音を拾いそこなったのかと思ったのだ。
「いいから、つなげっつんだ!!!」
何ですって????
リエは―― 信じられなかった。
しかも、話はここで終わりではない。
呆然としたまま、電話を切り替えてしばらくした後。
バタン!
大きな音と共に、社長室のドアが開いたのだ。
中から、社長が物凄い顔で飛び出してくる。
「あの…」
どちらへ。
最後まで聞くことは出来なかった。
社長は、あっという間に彼女の目の前を走り抜けて、秘書室を出てすぐのエレベーターに向かうのだ。
ドアは開け放されたままなので、その動きがはっきりと彼女から見えた。
あっけに取られてその背中を見ていると、彼はエレベーターが途中階にあるのに気づいたようで。
何と。
階段の方に駆けて行ったのである。
ここは、7階だった。
い…。
リエは、何度も何度もまばたきをした。
いまのは……何なの?
あなたの知らない世界―― だった。
『つなげ!』
聞き違いかと思った。
「は?」
慌てて、リエは受話器を耳にきちんと戻した。
ちょっと離していたために、音を拾いそこなったのかと思ったのだ。
「いいから、つなげっつんだ!!!」
何ですって????
リエは―― 信じられなかった。
しかも、話はここで終わりではない。
呆然としたまま、電話を切り替えてしばらくした後。
バタン!
大きな音と共に、社長室のドアが開いたのだ。
中から、社長が物凄い顔で飛び出してくる。
「あの…」
どちらへ。
最後まで聞くことは出来なかった。
社長は、あっという間に彼女の目の前を走り抜けて、秘書室を出てすぐのエレベーターに向かうのだ。
ドアは開け放されたままなので、その動きがはっきりと彼女から見えた。
あっけに取られてその背中を見ていると、彼はエレベーターが途中階にあるのに気づいたようで。
何と。
階段の方に駆けて行ったのである。
ここは、7階だった。
い…。
リエは、何度も何度もまばたきをした。
いまのは……何なの?
あなたの知らない世界―― だった。