冬うらら 1.5
□
確かに、まだ二人きりでいるということに慣れないことはたくさんある。
居心地が悪いと言えば、そうだった。
けれども。
それでも。
そこにいて欲しいのだ。
帰るまでに彼女に何かあったら、などという言葉を理由にするよりも、何よりも、自分がそれを一番望んでいた。
赤い顔で振り返るメイ。
「送る…」
胸に。
溢れるものはたくさんあるというのに、それしか言えなかった。
だから、降りるな。
そう願った。
メイは、一瞬瞳の中を揺らめかせたように見えた。
しかし、その後にゆっくり身体の向きを前に直したのである。
彼の言葉を受け入れるように。
ほっと。
拒まれなくてよかったという安堵感が全身を包んだ。
そして、ようやく手を離すことが出来た。
車を走らせる。
家まで―― もっと遠ければよかった。
確かに、まだ二人きりでいるということに慣れないことはたくさんある。
居心地が悪いと言えば、そうだった。
けれども。
それでも。
そこにいて欲しいのだ。
帰るまでに彼女に何かあったら、などという言葉を理由にするよりも、何よりも、自分がそれを一番望んでいた。
赤い顔で振り返るメイ。
「送る…」
胸に。
溢れるものはたくさんあるというのに、それしか言えなかった。
だから、降りるな。
そう願った。
メイは、一瞬瞳の中を揺らめかせたように見えた。
しかし、その後にゆっくり身体の向きを前に直したのである。
彼の言葉を受け入れるように。
ほっと。
拒まれなくてよかったという安堵感が全身を包んだ。
そして、ようやく手を離すことが出来た。
車を走らせる。
家まで―― もっと遠ければよかった。