冬うらら 1.5
●
素肌の、首、肩、腕、背中。
メイは、驚いてしまって、ついマジマジと彼の姿を見てしまった。
湯から上に、はみだしている部分だ。
はっ!
慌てて視線をそらす。
そうして、慌てて身体を洗う続きに入った。
カイトが。
わざと、視線をそらしてくれているのが分かった。
彼女の恥ずかしい気持ちを、分かってくれたのだろうか。
急いで身体を洗ったり、髪を洗ったりして交代しないといけない。
カイトだって身体を洗いたいに違いないのに、彼女がここを陣取っていたから、しょうがなくそっちに行ってしまったのだろうから。
お風呂、というのは―― つくづく一人で入るのに適している場所だということが分かる。
何もかもが、二人用というには小さいのだ。
洗い場も、湯船も。
二人でバスタブを使うには、くっついていなければならない。
や、やだ。
自分の考えてしまったことに焦って、彼女は大慌てで身体を流した。
その途中で、ちらちらとバスタブの方を見る。
しかし、やはり彼は顔をそらしたままだった。
髪を。
この期に及んでも、彼女はやはり右手を濡らしたくなかった。
そこにカイトがいる。
その事実に混乱や緊張や、いろんなものがロープのように絡まっているというのに、右手を極力使わないようにして頭を洗ったのだ。
いつもなら、リンスをしてからしばらくおくのだが、今日はそんなヒマもなく、ざばっと流す。
しとしとと滴る髪の水滴を払うと、彼女はもう一度、ゴムで髪をまとめ上げた。
最後に身体をシャワーで流して、顔を洗って、それから、洗い場を流して。
忙しく、カイトと交代するための作業を続けながら、メイは彼の方を見た。
身動きもせずに、彼はそこに沈んだままだった。
素肌の、首、肩、腕、背中。
メイは、驚いてしまって、ついマジマジと彼の姿を見てしまった。
湯から上に、はみだしている部分だ。
はっ!
慌てて視線をそらす。
そうして、慌てて身体を洗う続きに入った。
カイトが。
わざと、視線をそらしてくれているのが分かった。
彼女の恥ずかしい気持ちを、分かってくれたのだろうか。
急いで身体を洗ったり、髪を洗ったりして交代しないといけない。
カイトだって身体を洗いたいに違いないのに、彼女がここを陣取っていたから、しょうがなくそっちに行ってしまったのだろうから。
お風呂、というのは―― つくづく一人で入るのに適している場所だということが分かる。
何もかもが、二人用というには小さいのだ。
洗い場も、湯船も。
二人でバスタブを使うには、くっついていなければならない。
や、やだ。
自分の考えてしまったことに焦って、彼女は大慌てで身体を流した。
その途中で、ちらちらとバスタブの方を見る。
しかし、やはり彼は顔をそらしたままだった。
髪を。
この期に及んでも、彼女はやはり右手を濡らしたくなかった。
そこにカイトがいる。
その事実に混乱や緊張や、いろんなものがロープのように絡まっているというのに、右手を極力使わないようにして頭を洗ったのだ。
いつもなら、リンスをしてからしばらくおくのだが、今日はそんなヒマもなく、ざばっと流す。
しとしとと滴る髪の水滴を払うと、彼女はもう一度、ゴムで髪をまとめ上げた。
最後に身体をシャワーで流して、顔を洗って、それから、洗い場を流して。
忙しく、カイトと交代するための作業を続けながら、メイは彼の方を見た。
身動きもせずに、彼はそこに沈んだままだった。