冬うらら 1.5
□
唇を、そっと離す。
お湯の中で上気していた肌でもよく分かるくらい、赤い跡が残っていた。
カイトの唇に残っているのは、柔らかく濡れた腕の感触。
これも。
間違いなく、しるしというものだ。
腕を離してやると、メイはその跡を見つめているようだった。
「それだったら……洗っても消えねぇ」
ぼそっと。
彼は、そういうマヌケなフォローをするので精一杯だった。
汚い字がよくて、それがダメということはない。
理屈ではそうだ。
しかし、勢いでしてしまったものの、カイトは彼女の反応が気がかりだった。
また、落胆のため息をつかれてしまうのではないだろうかと思ったのだ。
「あ…」
ため息はなかった。
しかし、メイはお湯の中にいるというのに、更に首を赤くしたのである。
カァッと。
ゴムで髪を上げているせいで、その変化がはっきりと見て取れた。
ズクン。
胸に強く刺さったものが、危険信号を伝える。
いつも彼女の反応は不意打ちだ。
不安になったカイトの予想を遙かに高く飛び越えて、彼の心臓を台無しにしようとするのである。
猛烈に強く抱きしめたい衝動が、ガンガンと追い炊きされてしまう。
そして―― 我慢できなかった。
唇を、そっと離す。
お湯の中で上気していた肌でもよく分かるくらい、赤い跡が残っていた。
カイトの唇に残っているのは、柔らかく濡れた腕の感触。
これも。
間違いなく、しるしというものだ。
腕を離してやると、メイはその跡を見つめているようだった。
「それだったら……洗っても消えねぇ」
ぼそっと。
彼は、そういうマヌケなフォローをするので精一杯だった。
汚い字がよくて、それがダメということはない。
理屈ではそうだ。
しかし、勢いでしてしまったものの、カイトは彼女の反応が気がかりだった。
また、落胆のため息をつかれてしまうのではないだろうかと思ったのだ。
「あ…」
ため息はなかった。
しかし、メイはお湯の中にいるというのに、更に首を赤くしたのである。
カァッと。
ゴムで髪を上げているせいで、その変化がはっきりと見て取れた。
ズクン。
胸に強く刺さったものが、危険信号を伝える。
いつも彼女の反応は不意打ちだ。
不安になったカイトの予想を遙かに高く飛び越えて、彼の心臓を台無しにしようとするのである。
猛烈に強く抱きしめたい衝動が、ガンガンと追い炊きされてしまう。
そして―― 我慢できなかった。