冬うらら 1.5
□
「いい、寝てろ」
慌ててカイトは、彼女をぎゅっと布団の中に押し込むなり、1人でベッドから出た。
何も着ていないのは、彼も一緒だ。
暖房は効いているが、やはりこんな格好で長くいて平気なワケじゃない。
それに、早く用意を済ませないと、本当に遅刻だった。
あのシュウに、結婚してたるんだなどと言われないためにも、彼は遅刻するワケにはいかなかったのである。
着替えをとっ掴むと脱衣所に駆け込み、身支度を2分で済ませた。
おかげで洗面所は水浸しになったのだが、彼はそれに気づかずに、急いでシャツのボタンを止めながら部屋の方に戻ったのである。
メイは、起き上がっていた。
正確には、引っぱり出した毛布にくるまったまま、身体を起こしているだけだ。
心配そうな目で、出てきたカイトを見ている。
寝坊して朝食も間に合わず、カイトまでも遅刻させそうになったことを、きっといまごろ後悔しているのだ。
んな、ツラすんな!
大股で、そんなメイの方に戻りながら、カイトは言葉を考えていた。
「遅刻は、しねぇ」
けれども、出てきたのはそんな味気ない言葉。
これくらいで、メイを安心させられるとは思わず、彼は余計に顔を顰めてしまった。
慌ててその表情を消すように、彼女の目の前に立つ。
それからベッドに片膝をついて身をかがめた。
そうすると、ベッドの上に座っているメイとは、そんなに身長差を感じなくなる。
この時間のない時に、何故わざわざベッドまで戻ってきたか。
それは、メイにしてもらわなければならないことがあったからだ。
朝食の時間はなくても、これだけはカイトだって失いたくない時間。
「いい、寝てろ」
慌ててカイトは、彼女をぎゅっと布団の中に押し込むなり、1人でベッドから出た。
何も着ていないのは、彼も一緒だ。
暖房は効いているが、やはりこんな格好で長くいて平気なワケじゃない。
それに、早く用意を済ませないと、本当に遅刻だった。
あのシュウに、結婚してたるんだなどと言われないためにも、彼は遅刻するワケにはいかなかったのである。
着替えをとっ掴むと脱衣所に駆け込み、身支度を2分で済ませた。
おかげで洗面所は水浸しになったのだが、彼はそれに気づかずに、急いでシャツのボタンを止めながら部屋の方に戻ったのである。
メイは、起き上がっていた。
正確には、引っぱり出した毛布にくるまったまま、身体を起こしているだけだ。
心配そうな目で、出てきたカイトを見ている。
寝坊して朝食も間に合わず、カイトまでも遅刻させそうになったことを、きっといまごろ後悔しているのだ。
んな、ツラすんな!
大股で、そんなメイの方に戻りながら、カイトは言葉を考えていた。
「遅刻は、しねぇ」
けれども、出てきたのはそんな味気ない言葉。
これくらいで、メイを安心させられるとは思わず、彼は余計に顔を顰めてしまった。
慌ててその表情を消すように、彼女の目の前に立つ。
それからベッドに片膝をついて身をかがめた。
そうすると、ベッドの上に座っているメイとは、そんなに身長差を感じなくなる。
この時間のない時に、何故わざわざベッドまで戻ってきたか。
それは、メイにしてもらわなければならないことがあったからだ。
朝食の時間はなくても、これだけはカイトだって失いたくない時間。