白ウサギの宿命
「“天兎様”っていうのは、ピョン星の……地球でいえば神様みたいなもの。」
男はうなずく。
「ただし、気まぐれなんだけどね」
今回の件も、天兎様の気まぐれのせいだし。
それにしても、どのタイミングでみんな破壊すればいいんだろ。
私は、
「そろそろ、破壊していい?地球」
と言った。
男は、別に驚きもせず、
「別に、いつでもいい。俺は死んでも生きてもどっちでもいいからさ」
と言った。
……珍しい、こんなケースは。
「なんで生きたくないの?」
気がついたらそう言っていた。
「いや、死にたいわけじゃないけど、なんか何もないし。さっきは“波”、よけたけど」
男はアハハと笑う。
「……そんなもん?」
「んー、わかんね」