愛かわらずな毎日が。
「……えっと。砂糖は3グラムのを置いているんですけど。甘いの、っていうとどのくらいでしょうか。福元さんはいつも、なん、………っ」
…………え?
一瞬、なにが起こったのかわからなかった。
わからない、というよりは、信じられない、といったほうが近いのかもしれない。
ドクドクと、勢いよく熱を押し出す心臓の音が頭の中まで響く。
ゴクンとのみ込んだ言葉が、数秒後にはかたちを変えてのどを通り抜ける。
「………なん、で」
だって。
私、いま……。
今、福元さんに。
………これは、夢?
ううん。夢じゃない。
だって、こんなにも熱い。
ビリビリと、体じゅうが熱い。
「ふ、くも、と……さん?」
手にしていたスティックシュガーを握りしめ、ようやく口にした名前。
そのあとに続く言葉なんて、見つけられない。
「間宮さん」
どことなく熱を含んだ福元さんの声が耳をくすぐる。
「このままで、聞いてもらっていい?」
ゾクゾクと心が震えるようなその声に小さく頷いてみせると、すぐそばで、すぅっと空気の流れる音がした。
福元さんはその流れに浮かべるように、ふわりと言葉を放つ。
「俺と、付き合ってくれないかな」