愛かわらずな毎日が。
「顔、真っ赤だ」
唇が離れ、混じり合う息を揺らすようにそう言った福元さん。
「………だって、」
そんなの当然だ。
冷静でいられるわけがない。
こんな展開を、想像すらできずにいたのだから。
「………突然すぎて。私、今……、どうしたらいいか…」
モゴモゴと口を動かすと、ついさきほどまで私に触れていた唇がゆっくりと弧を描く。
「そういうところがたまらないんだよ」
福元さんは囁くようにそう言うと、こぼれ落ちた涙のあとに唇をあてた。
胸が、きゅんと鳴く。
抱きしめられた体も、大きな手のひらで包み込まれた頬も、緊張で震えてしまった唇も。
福元さんに触れられることを待ち望んでいたかのように反応する。
体じゅうが熱くて。
「あの……、福元さん……」
「うん」
薄っぺらいシャツを簡単に通り抜けてくる福元さんの体温に反応して、立っているのがやっとというくらいにふわふわとした感覚に襲われる。
朦朧とした意識の中、私の吐き出す言葉に嘘はない。
「私、………福元さんが、……好き、です」
【END】