愛かわらずな毎日が。
「7月の、中旬頃だったかな」
のろけ話を中断させられた香織は、少し不機嫌そうな表情でそう答えた。
「………なによ。3ヶ月も前の話じゃない」
私はそう言いながら、コンビニ弁当のごはんの上の小さな梅干しを箸でつついた。
「言おうと思ったよ。すぐにでも言いたかったけどさ」
「じゃあ、なんで言わないの」
膨れっ面の香織に負けじと、私も思いっきり頬を膨らませた。
「あんたが福元さんの話ばっかりするから、言うタイミングがなかったんじゃない」
「…………え、」
私たちのやりとりを黙って眺めていた森下が、
「なぁーんだ。間宮さんが悪いんじゃん」
そう言ってフンッと鼻を鳴らした。
「う…、うるさいよっ」
と、森下を睨みつけたものの。
森下の言うとおり、私が悪い。
………のかもしれない。
だって。
7月中旬といえば、ちょうど私と福元さんが付き合いはじめた頃で。
口を開けば、
「福元さんがね」
「福元さんてね」
と、福元さんの名前を出していた気がする。
「あんたがあまりにも幸せそうに話すから、なんだか自分の幸せがちっぽけなものに思えちゃったのよ」
「……………」
プロポーズされただなんて、言いたくてウズウズしていただろうに。