愛かわらずな毎日が。

「あれれー?どうかしたんですか?
あ。もしかして、ケンカしたとか?」

椅子に勢いよく腰を下ろした私に、森下は遠慮もせずに訊いてくる。


「ケンカじゃないし」

プゥッと頬を膨らませると、

「福元部長は相変わらずお忙しいみたいですね」

と、ヨーグルトのフタを剥がしていた香織が肩を竦めた。

私は、

「そうみたいですよ」

とだけ言うと、ふぅっと息を吐き出し、食べかけのコンビニ弁当にフタをした。


福元さんが忙しいことは、前からわかっていたことだ。


だけど。

………なんていうか。


あの日から約三ヶ月。

安定するかと思われた「福元さんが好き」という気持ちは、膨らみ続ける一方で。

社内で毎日のように顔は合わせているものの。


それだけじゃ、

「………足りない」


ぜんぜん、足りない。


机におでこをくっつけた私の呟きに、

「足りない、って。お弁当、残してるじゃないですか」

なんて、すかさずツッコミを入れてくる森下。


「森下の、ばーか」


ちがうよ。

お弁当じゃなくて、さ。


「うわっ。今の、聞きました!?バカって言いましたよ!私のこと、バカって言った」

「ちょ…っ、ちょっと!痛いってば」


机にくっつけていたおでこを剥がし、代わりに顎をのせた私は、香織の肩をバシバシ叩く森下と、眉間にシワを寄せた香織を眺めながら大きく息を吐き出した。

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