愛かわらずな毎日が。

「不器用なかんじが、懐かしいっていうか。
面白がってるわけじゃなくてね。
単純に、純粋に。応援したい、って気持ちになるんだよね」


「あ。一緒」


「香織ちゃんも？」


「うん。いい大人だしね、友達の恋愛に口出しすることなんて、もう経験することないと思ってたけど」

放っておけないのよね、と香織ちゃんは肩を竦めて笑った。


香織ちゃんも、私も。

もどかしいとか、淡いとか、儚いとか、そんな青春時代の甘酸っぱい感情を、愛ちゃんのおかげで思い出すことができたんだ。



「メールくらい、返してあげようかなぁ」


「え？」


「イツキに。今、ケンカ中なの」


「そうなの？」


「うん。くだらない理由なんだけどね。でも、私が意地を張っちゃって。それで、」


私がもっと素直でいられたなら、ケンカをせずに済んだのだろう。


そう思ったら、急に声が聞きたくなった。

会いたくなった。


「ごめんね。ほんとは今日、イツキくんと会う予定だったんじゃない？」

香織ちゃんが眉尻を下げてそう言った。


「ううん。昨日から出張に行ってるから」


「そうなんだ」


「うん」


「メール、送りなよ」


「んー…。じゃあ、もう一杯飲んでから」


「あはは」