愛かわらずな毎日が。
「私も。おかわりしようかな」
見ると、香織ちゃんのグラスには溶けかけの氷しか残っていなかった。
「なににする?それ、ウーロンハイだったよね?同じのでいい?」
メニューの文字をなぞるように動かしていた指を「カシスオレンジ」の上で止めた私は、視線を香織ちゃんに移した。
すると、
「あ。これ、ウーロン茶なの」
テーブルの隅にグラスを置いた香織ちゃんの視線がふわふわと漂っていることに気づく。
「そう、だったの?」
「うん」
「てっきりウーロンハイかと思ってた」
「あー……。アルコールは、ちょっと。
………実は、ね」
「うん?」
「できちゃって」
「…………え?」
「赤ちゃん」
「………………」
「私、妊娠してるの」
「えーーーーーーっ!!」
本日、二度目の「あんぐり」。
やばい。
あとで甘酸っぱいの、もう一杯追加しなくちゃ。
番外編『恋ってやつは。』 完. 2015.11.14