愛かわらずな毎日が。

「間宮さん…っ。ちょっと、いいですかっ?」

更衣室を出たところで企画部の女の子にそう声を掛けられた。


「お、はよう。……っていうか。なに?」


企画部の使用する更衣室はひとつ下の階にある。

着替えもせずにやってくるなんて、よほどのことなのだろう。

朝の挨拶も忘れて私の前に立つ彼女は、眉間にシワを寄せ、唇をきゅっと噛み、険しい表情をしている。


え?

ちょっと待って。

もしかして私、なにかやらかした?


……でも。

最近、企画部に関する仕事はしていないと思うけど。



「あの…っ、」

「ちょっ、……ぅわっ、」


突然右腕を掴まれて、危うく手にしていた財布とスマホを落としてしまうところだった。


なに、いきなり。

なんなの。


「なに?どうしたの?」

「あっ、あの……っ」


頬を赤らめ、大きな瞳を潤ませた彼女の発した言葉に体が凍りつく。


「間宮さんて、福元部長と……、付き合ってるんですかっ?」

< 236 / 320 >

この作品をシェア

pagetop