愛かわらずな毎日が。
「ねぇ、福元さん」
「うん」
「私と付き合ってるって知られたら、仕事がしづらくなるとか、……そういうのって、」
「ないよ」
「それじゃあ、その……。私のこと、……私に対しての気持ち、っていうか。……それを、」
「愛を好きだって気持ちも、隠したりしない」
自分でも、バカなことを訊いてしまったと思ったのだけれど。
新たな悩み、というか。
問題というか。心配事というか。
それに打ち勝つためには、福元さんの気持ちを確かめておかなくちゃ、と思った。
だって、彼女は。
企画部のあの子は。
きっと、福元さんのことが好きだから。
「そろそろ戻らないと。ミーティング始まるし」
「……うん」
「愛、」
「あっ…、あと少し。あと、……10秒だけ」
「あはは。じゃあ、10秒だけ」
「……うん」
あぁ。ほら、また。
胸の奥が、ぎゅっとなった。
「ねぇ、福元さん」
「最近そればっかりだね」
「いっ…、いいの。気にしないでください。
コホッ……。ねぇ、福元さん」
「はいはい」
「福元さんを好きだって気持ち。
もう、隠したりしない」