愛かわらずな毎日が。

「……………」


「……………」


しばしの沈黙。


当然だ。


『福元部長と総務の間宮さんって、付き合ってたんスね』


そう聞いちゃったらさ。

そりゃ、なんも言えなくなるだろ。



「……え。知らなかったんスか。井沢さんて、間宮さんと同期でしたよね?」


会社に向かう途中、缶コーヒーを買おうと立ち寄ったコンビニで偶然一緒になった山田が、得意げな顔して言うから。

ちょっとした、敗北感っていうやつを味わってんだよ。


だってさ。


「同期だけど、」


知らねぇよ。

報告なんて受けてないし。


間宮と福元部長が。


なんだ、それ。


いやいやいやいや。

マジで。


なんだ、それ。

聞いてねぇし。


……って。


臼田や塚田ちゃんは、まぁ、知ってたとして。

さすがに中里は知らないよな。

俺が知らないんだから。


ん?

待てよ。


俺だけ知らない、ってことは……ないよな。

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