愛かわらずな毎日が。
「あれ、間宮さんじゃない?」
「え?どこ?」
「あ。違った」
「なんだよ、」
そんな会話が聞こえてきて、思わず足を止めた。
「あれは、………」
ダイニングバーの大型個室から抜け出した俺が目にしたのは、店の入口付近にいる女の子たちに視線を送る二人の男。
同じ営業部に籍を置く、増田と池谷。
どちらも俺の一年後輩だ。
……っていうか。
『間宮さん』って言ってたよな?
それって、あの。
福元の。
愛ちゃんの、こと……?
いや、違う。
いや。
違う、ではなく。
間違いであってほしい。
なんて。
3月も終わりに近づいたある日のこと。
俺は、福元の代わりになぜか胸をざわつかせていた。