愛かわらずな毎日が。
……ふぅん。
そうなんだ。
真斗は。
私と、みつひろが結婚すると思ってたんだ。
そっか。
でも、まぁ。
私も。
そうなると思ってた。
あの頃は、そう思ってたけど。
「でもさ、」
「うん?」
「みっちゃんと別れたから、今のカレシといられるわけだし」
頬杖をついた真斗が、急須を手に席に戻った私に向かってそう言った。
「……え、」
「いるんだろ?」
そう言うと、真斗の表情がふわりとやわらかなものへと変わる。
「母さんから訊いたとかじゃなくて。俺が勝手にそう思っただけ、っていうか。
料理なんてまったく作らなかった姉ちゃんが、ハンバーグとか。そりゃもう、オトコしかないじゃん?しかも。
みっちゃんよりも確実にイイオトコ」
淹れたての緑茶に息を吹きかけた真斗が、
「今度、会わせてよ」
そう言って目を細めた。
ハンバーグを作っただけで福元さんの存在に気づくとは。
恐るべし。
「そうだね。また、機会があったら、」
いつになるか、わからないけど。
なるべく早く紹介できるといいけど。
「なに、その顔。もしかして、ケンカでもしてんの?」
「え?あ、ううん。そういうわけじゃないけど」
「じゃない、けど?」
「………ない、んだけどさ」