愛かわらずな毎日が。
私をぎゅうっときつく抱きしめると、
「よかった」
ほぅっと息を吐き出した福元さん。
そんな福元さんのことが愛おしくて、背中にそっと手をまわした。
そして、照れくささを誤魔化すように言う。
「私、目が。……顔が、ものすごいことになってますよね?きっと、あり得ない顔をしてる。
……あ。これって、やっぱり。
福元さんの記憶に、残っちゃったりします…?」
できれば、もう少しまともな顔で。
だって、せっかくの思い出が。
「あはははは」
福元さんはしばらく我慢していたのか、フッと息を漏らしたそのすぐあとに声を出して笑った。
そんな。笑わなくても。
ゆっくり体を離した私の左頬を右手で包むと、
「もちろん残しておくよ。
大好きな表情のひとつとしてね」
そう言って目を細めた。
「………、」
ずるいなぁ。
そんな言葉をサラッと口にできちゃうのって。
ちょっぴり、憎たらしい気もするけど。
でも。
福元さんの緊張は、ちゃんと伝わってきたし。
「……ありがとうございます。
私のこと、選んでくれて」