愛かわらずな毎日が。
「買い物に行ってくるから」
リビングのドアが開くと同時に聞こえてきたのは、母親の素っ気ない声。
「はいはーい」
テレビを視たまま手をヒラヒラとさせれば、リビングに母親のわざとらしいため息が響く。
「お姉ちゃーん。あたし、図書館に行ってくるからね」
と、母親と入れ替わりに高校三年生の妹の声。
これにもまた、
「はいはーい」
と、先ほどと同じように返事をする。
みんな忙しいのねぇ、なんて呟くと、自然とため息がこぼれる。
「はぁぁぁぁ」
ふて寝とまではいかないけれど、こうして家でダラダラと過ごすしかできない自分が嫌になる。
そろそろファンデーションがなくなるんだった。
狙ってたバッグは、まだ残ってるかな。
用事なんて作ればいくらでもあるのに、出掛ける気にはなれなかった。
「……アイス食べよ」
やけに重たく感じる体を起こしたときだった。