愛かわらずな毎日が。
「………え?」
おなかの上に置いていたリモコンが床に落ちる。
でも。
鈍い音を立てたリモコンがどうなったかなんて、気にする余裕はなかった。
「………なんで?……だっ、て」
腕に力を入れてなんとか立ち上がることに成功した私は、そろそろとテレビに近づくと、その場に立ち尽くしてしまった。
「ばぁちゃん……、危ないんじゃ、ないの?」
リポーターの後ろに映る自分の彼氏に問いかけた。
間違いない。
二年も付き合ってきた彼氏が、見ず知らずの女の肩を抱き、カメラにむかって笑顔を見せている。
「冗談、……でしょ?」
だって。
『ばぁちゃんが危なくてさ。病院に行かなくちゃいけないんだ。ごめん。ほんと、ごめんな』
昨日、電話でそう言ったじゃない。
怒りからくるものか、それとも、悲しみからくるものなのか。
そんなの、ちっともわからなかったけど。
胸が苦しくて、着ていたTシャツの胸元を握りしめた。