王子様のしつけかた☆

-*-比奈-*-


学校をでて少し行くと、うしろで騒がし


い声が聞こえた。


「健くーん!」


テニス部員の女の子たち。


「この間の大会見たよっ!」


「すごいよね!地区大会1位なんでしょ


!?」


一ノ瀬くんは完全シカト。


そして女の子たちはあたしの存在に気づ


いていない。


「…るせーな。気安く呼ぶな」


…ひ、ひどい。


態度が一変した。


それでも女の子たちはカッコいいと黄色


い声をあげている。


ほんとに、人気あるんだ…。


あたしなんかが彼女でいいのかな?


「悪い。比奈、いこ」


「う、うん」


手を引かれるまま、あたしはついていっ


た。


< 7 / 8 >

この作品をシェア

pagetop