王子様のしつけかた☆
-*-比奈-*-
学校をでて少し行くと、うしろで騒がし
い声が聞こえた。
「健くーん!」
テニス部員の女の子たち。
「この間の大会見たよっ!」
「すごいよね!地区大会1位なんでしょ
!?」
一ノ瀬くんは完全シカト。
そして女の子たちはあたしの存在に気づ
いていない。
「…るせーな。気安く呼ぶな」
…ひ、ひどい。
態度が一変した。
それでも女の子たちはカッコいいと黄色
い声をあげている。
ほんとに、人気あるんだ…。
あたしなんかが彼女でいいのかな?
「悪い。比奈、いこ」
「う、うん」
手を引かれるまま、あたしはついていっ
た。