五人一首



汚い目をしたみんなが。


汚れた心をした人が。



泥まみれになった自分の手足が。


気持ち悪い。





また今日も、この手に湿った土がめり込むのだろう。


そして明日も、大好きだった人達に怯えながら過ごすのだろう。




涙を流さないように上を見上げた。





私の目に映った景色はとても綺麗で


空はどこまでも蒼かった。


雲はどこまでも高かった。


手を伸ばしても届かない程に。


そんな私を見て、空はきっと嗤うのだろう。





人気[ヒトケ]のない道の真ん中


上を見上げたのも意味をなくして


私は一人涙を流した。






< 15 / 26 >

この作品をシェア

pagetop