五人一首

第二首





―Side Miharu―



桜が花開き、温かい陽が辺りに光をこぼす。




「未晴~」




名前を呼ばれ
振り返ると、真新しい制服に身を包んだ友達がいた。




彼女の名前は石崎 深麗[イシザキ ミレイ]




小学生の頃に同じクラスになったことがきっかけで仲良くなり、いつしか一緒に居るようになった。




制服に身を包んだ深麗は前よりも随分大人っぽく見える。





此処は地元でもセレブで有名な私立中学で、校門にも黒地に金色の文字で『私立五階道高等学院付属中学』と長い上にいかにも「格式高い学校です」というような立て札があった。



(これからどんな6年間になるんだろ…)




この頃の私は何も知らなかった。




まさか


こんな残酷で汚れた


美しい物語が始まるなんてーーー‥

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