五人一首





ホールの入口には
『五階道学院へようこそ』
という看板が立て掛けてある。




通された広いホール内には、綺麗に規則正しく椅子が並べられていて、あちこちに色とりどりの花々がかざられていた。




「新入生起立、礼。」




上品なメロディの校歌が流れ、長い長い学院長の話や祝辞と共に入学式が終わり、案内された廊下には大きな紙が張り出されていた。




刹那、グイッと腕を引かれる。

何事だと思い振り返ると、




「同じクラスだよ!」



と言い満面の笑みを浮かべる深麗がいた。




深麗の視線を辿ると、確かに1―Dの欄には『石崎 深麗』と、私『阪谷 未晴[サカタニ ミハル]』の名前があった。

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