五人一首
私には昔から、考え事をするときに周りが見えなくなる癖があった。もっと簡単に言うと、周りの世界を遮断して故意に自分を閉じ込める癖があった。
自分で意識してしているのではなく…私の過去が自分を守るためにそうさせたのだろう。
少しお話しましょうか。
私の過去を
一般的な日々は笑顔が溢れるあたたかい家庭で幸せに過ごしているんだろう
悪夢など知らずぬくぬくと育っていく、それが普通の人生
私のところは違ったー‥
--数年前--
ガラスの割れる音が響き
悲鳴に近い叫び声が反響する
日常となったそれに、私は泣くことも、助けを求めることもできず、ただ耐えることを続けていた。
泣けばまた叩かれる
助けを求めても相手にされない
いわゆる、虐待というやつが私を縛りつけていた。