五人一首






季節は巡り夏ー‥





校舎を覆っていた淡い桃色は


いつしか鮮やかな緑に染まっていた。





「猫井 純~」




「はい。」





気だるげに点呼をとる先生の声も
大分と聞き慣れてきた。





点呼が終わりしばらくすると

後ろの方で男子が騒ぐ声が聞こえてきた。





その隣では女子が面白おかしくクスクスと小さな声で笑う。




あぁ‥




なんて

穏やかな日々だろう。




< 5 / 26 >

この作品をシェア

pagetop