スノードーム




でも、痛いけど文句は言わない。


だってわかってるから。

これがヨシくんなりの心配の仕方なんだって。


それが何だか嬉しくて、少しだけ口元が緩んだ。


ぼふっと二人並んでベッドに横になれば(断じていかがわしいことはない)、なんとなく懐かしい気分になってくる。


ちらりと横を向けば、ヨシくんも同じように感じてるみたいだった。




「なんか…懐かしいね」


「だな」




ぼんやりと見上げる天井の模様は、昔から何一つ変わっていない。


すぅと息を吸い込めばいとも簡単に思い出す小さい頃の記憶。


ヨシくんは、こうやって私を慰めるのが昔から他の誰より得意だった。




< 101 / 200 >

この作品をシェア

pagetop