スノードーム




そんな腑甲斐ない私に向かって、教えてくれてありがとうと優美ちゃんは優しくて可愛らしい微笑みをくれた。


本当、女神に見える。




「…優美ちゃんだいすき」




貴女みたいな友達がいて綾人栞那は幸せです。


そう叫びながら優美ちゃんにぎゅっと抱きつけば、反対側から雅の呆れたような溜息が聞こえた。


そして引き剥がされる私の体。




「…それで?その幼なじみの塚田先輩のせいでカンナは行きたくもない三年の教室に向かってるわけだ」


「そうなのだよ雅さん。昨日部屋にケータイ忘れていったみたいで」




そう。

私が出来れば近寄りたくない先輩がいるであろう教室に向かっている理由。




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