スノードーム




「つまり今まで一人で帰ってきてたわけだ?」


「……はい」


「女の子なのに一人で?」


「……はい」




結局お兄ちゃんにしつこく問い詰められた私は、今まで一人で帰ってきていたことを白状した。

まさか高校生にもなって一人で帰ることをこんなに怒られるなんて。


あぁ。目の前の鍋が遠い。




「最近は世の中危ないんだぞ!?」


「でも!」


「でも?」


「……ナンデモナイデス」




小学生じゃないんだからと言い返そうと思ったけど、ギロッと睨まれて反撃は失敗に終わった。


いつも一緒にいる雅と優美ちゃんは途中までは同じ道だけど、家は反対方向にある(二人は同じ方向)。

だからいつもは家よりいくらか手前にある十字路で別れてるんだ。





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