スノードーム
なんか私を置いて勝手に話が進んでいってる気がするんだけども。
「あの、私大丈夫だよ?今までも何もなかったし、襲われるほど可愛くないし。ヨシくんにもそこまで迷惑を掛けるわけには…」
まるで決定事項になりそうな話に、慌てて二人の会話に割って入る。
まさか毎朝迎えに来てもらうなんてありえない。
いくら受験と部活が終わったとはいえ、ヨシくんにはヨシくんの用事があるはずだ。
そんな申し訳ないことは出来ないと何とかその申し入れを断ろうと言葉を探す。
するとお兄ちゃんは突然寂しそうに、そして切なそうに顔を歪めて私を見た。
その表情に発しようとしていた私の口は動きを止める。
「カンナ」
「…は、はい」
あぁ。マズイ。