スノードーム




「カンナ。お兄ちゃんはカンナのこと、物凄く心配なんだよ。もう毎日眠れないくらい心配なの。出来るなら俺が送り迎えしてやりたいんだよ本当は。でも学校もバイトもあるから毎回は出来ないし…わかるだろ?」




まるで捨てられた子犬のようなそれ。

私が何より弱いお兄ちゃんの表情。


女のしかも妹の私が言うのもどうかと思うんだけど、可愛いんだよ、本当。


兄妹のひいき目とかそういうのを抜きにしても可愛いんだよ。


こてっと首を傾げてる辺り、わざとなんだろうと頭では気付いてる(お兄ちゃんは私の攻略法を熟知してる)。


でも、わかっていてもそんな顔されたらもう何も言えなくて。




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