スノードーム
それでも俺に遠慮してか(一応、女子から人気がある自覚はある。まつやんと違って)、塚田先輩と呼ぶに留まっていたし俺もまつやんの手前カンナちゃんと呼ぶようにしていた。
後日、家の外で会ったときカンナに"ヨシくんがカンナちゃんとか鳥肌たった"と言われたことは誰にも言っていない。
まぁ、ほら。あれだ。
人の恋路を邪魔する奴は馬になんちゃらってやつ。
それが再び大きく変わったのは、あの日。
卒業を間近に迎えたあの日、たまたま校内の廊下で泣いているカンナとぶつかって。
きっと無意識だったんだろうけど。
学校の中で俺を"ヨシくん"なんて呼ぶもんだから、何かあったんだとすぐにわかった。