スノードーム
そして、カンナの荷物を取りに行った教室で見たまつやんの姿に何となく状況を理解した。
カンナの家に行き涙で目を腫らす彼女の話を聞けば、やっぱりまつやん絡みのことみたいで。
許せなかった。
とりあえずまつやんには一つ睨みをくれてやったけれど、それくらいじゃ到底許せない。
カンナがまつやんを好きなことは、すぐにわかった。
恭兄も知っているみたいだったから、何かと二人をくっつけようと頑張ってきたつもりだ。
なのに、まつやんはカンナを泣かせた。
例え何年も話をしていなかったとしても、カンナは間違いなく俺の大切な幼なじみなのだ。
小さい頃からいつだって背中に守ってきた大切な妹みたいなカンナ。
そんな彼女を傷付けるなんて、泣かせるなんて。
絶対に許せなかった。