スノードーム
(ケーキ、ねぇ)
届いたカンナからのメールに俺は一瞬思考を巡らせたあと、再びまつやんに目を向ける。
カチッと絡み合う視線。
その視線に俺はあえて挑発的な笑みを映し、立ち上がりながら口を開いた。
「放課後はカンナとケーキ屋デートでもしてくるわ」
だから後つけるなよ、と釘をさして教室を出る俺。
その瞬間後ろから感じたまつやんからの悔しそうな、睨むような視線は気のせいじゃないだろう。
でも知らないフリだ。
まつやんの気持ちは知ってるし、応援だってしてる。
でも今回ばかりは助けてなんてやらない。
簡単に取り持ってもらえると思うなよ。
カンナが泣いた分、まつやんだって苦しまねぇとフェアじゃねぇんだから。