スノードーム
しかもこちらを見ることもなく。
酷くないですか。さすがの私でもちょっと傷ついたんですけども。
そう思いながら唇を尖らせ図書室のカウンターに顔を乗せた。
今日は図書委員会がある日で。
当番だった私はヨシくんと二人で図書室にいる。
相変わらず人気のないこの図書室には人がいない。
今日は司書さんも急用とかでお休みだ。
一応先に帰ってもいいよと言ったけど、ヨシくんが首を縦に振ることはなかった。
「ヨシくん冷たい」
「はいはい」
カウンターの中の椅子に座りゆっくりと貸し出しカードを整理している私の横でヨシくんは静かに本を読んでいる。
もちろん私との会話も本を読みながらの会話。