スノードーム




私が一人で泣かないように気を遣ってくれてるんだと思う。

本当、甘やかし上手。


そんなヨシくんに感謝しながらも誤魔化しきれない心の穴があって。


自分の腕を枕にしてカウンターに伏せた。


こんな時、思い出すのはやっぱり先輩のこと。




(何で先輩なのかなー…)




別に、凄いイケメンだとか、そんなことはないと思う。

運動神経はいいけど、凄い頭が良いってわけでもないし(それならヨシくんの方が凄い)。


でも、いつも周りにたくさんの人がいる人で。


先輩の傍には引き寄せられるように人が集まるんだよね。


太陽、みたいなんだ。




「…届かない人、ってか」




そんなの知ってると自分自身に毒づいた。




< 156 / 200 >

この作品をシェア

pagetop