スノードーム
同じクラスになったことはないけど、何度か見かけたことはある彼女。
可愛くて気さくで元気で。
笑顔が素敵な、日の打ち所なんかまるでない女の子。
いじっぱりで素直じゃなくて、告白すら出来なかった可愛くない私とは正反対。
そんな彼女は野球部のマドンナ的存在で。
あんな可愛い子とずっと一緒に部活で夢を追い掛けてたんだもん。
こうなるかもしれないっていう可能性は十分あった。
彼女も…何となくそんな感じだった。
先輩を見る彼女の目は私と同じだったから。
だから初めからありえない話じゃなかった。
でも先輩がくれた何気ない返事に、私は安心していたんだ。