スノードーム
あれは確か今年の夏頃。
たまたま一緒になった帰り道で、何となくマネージャー可愛いですよねって聞いてみたら、先輩は『そうかー?』なんて気にした様子もなく返事をしてくれたから。
「…嘘つき」
そうかー?じゃないじゃん。
そうだな、じゃん。
なんて、私には今更文句言う資格なんてないけど。
告白も出来なかった弱虫ですし。
(本当、弱虫…)
そんなどんより曇り空みたいな私の心とは裏腹に、校庭を走る先輩の表情は晴れ模様。
ムカつくくらいキラキラだ。
それでもときめいてしまう自分に呆れてしまう。
部活を引退してから伸びてきた髪が走るたび風に揺れて。
鍛えられた体でボールを追い掛けてる。