スノードーム
「ありがとう、ございます」
「────っ!」
きっと私の顔は情けないくらい緩んでる。
でも今はそれを隠せそうにない。
そんな思いのまま素直にお礼を言えば、目の前にいた先輩は何故か頬を赤く染めていた。
ん?どうしたんだろ。
そう思いふと視線をずらせば窓の外に見えた今にも雪が降りだしそうな空模様。
…あぁ。寒いとこから暖かいとこに来たからか。
どんだけ寒いんですか、外。帰るの嫌になってきたぞ。
私は赤くなりながら目を泳がせている先輩に気付きもせず、そんなどうでも良いことを考えていた。
すると
ガラッ
「まつやーん!帰るぞー!」
再び勢い良く開いたドア。